ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」、通称「逃げ恥」。
主演のガッキーこと新垣結衣と、相手役、星野源のドラマ「逃げ恥」は、2017年に終了しましたが、エンディングテーマの星野源が唄う「恋」と「恋ダンス」は、社会現象にもなりました。(「逃げ恥」のOPテーマ曲とEDテーマ曲の記事は、こちら)
さて、「逃げ恥」の原作漫画を描いているのは、「海野(うみの)つなみ」さんです。残念ながら2021年現在、連載は終了していますが、実は「逃げ恥」の原作漫画は、2017年に一度終了した後、読者の続編を望む声に応えるかたちで、2019年に復活しています(2020年に終了)。
まだまだ「逃げ恥」熱は冷めそうにないので、この先、2度目の復活もあるかも!?
という訳で、早速、
を紹介していきましょう。
ところどころネタバレを含んでいますので、もし漫画を読むまでネタバレは勘弁!という方は、こちらの記事をどうぞ。津崎平匡(つざきひらまさ)演じる星野源のマルチな才能について書いてみました。
また、期間限定ですが、原作漫画「逃げ恥」の第1巻を無料で読むことができます。電子書籍の「まんが王国」で無料で読めますので、是非お試し下さい。(2021年4月時点の情報です。現在の無料漫画については、まんが王国WEBサイトでご確認下さい)
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では、参りましょう。「逃げ恥」の原作漫画とドラマは、こんなにも違っていた!
Contents
「逃げ恥」の原作漫画とドラマは、こんなにも違っていた!
「逃げ恥」の原作漫画とドラマの違いは、数多く存在します。
確かに大きな流れとしてのストーリーは同じですが、細かな年齢設定や、この後に紹介する毎週火曜日のハグの日が違うといった結構大きな違いまで、探してみるととても興味深いです。それでは、さっそく詳しく見ていきましょう。
(1)ハグの日が毎週火曜日ではない
「逃げ恥」のストーリーで、最も重要な設定が、
「毎週火曜日のハグの日」
です。
驚いたことに、原作漫画では、ハグの日が毎週火曜日ではありません。
原作漫画では、
第2と第4金曜日がハグの日
と設定されています。
ドラマの中では、平匡がはじめ月1回、と提案したのに対し、みくりはそれを却下。平匡がさらに2週間に1回、と譲歩するものの、みくりは再度棄却。最終的に平匡から週1回としましょうと譲ると、みくりはそれならOK、と承諾します。
このくだりは、漫画でも描かれていますが、漫画版では、最終的に みくり が隔週、つまり毎月第2金曜日と第4金曜日をハグの日として承諾しています。漫画版の みくり の方が、ドラマよりもちょっとだけ弱気? いやいや、原作漫画の みくり の方が、若干強気な感じがします。
なぜドラマのハグの日は、毎週火曜日となったのか?
ここで、原作漫画のハグの日と、ドラマのハグの日が違う理由を考えてみましょう。
原作漫画は、第2、第4金曜日ですが、ドラマは毎週火曜日がハグの日になりました。
うっ…。先を越されましたが、おそらくその通り。ドラマ「逃げ恥」は、TBS火曜ドラマ枠で放送されていました。ドラマを見た夫婦が、ドラマの流れでハグしてくれるといいよねー。
そんなアイデアから、ドラマは毎週火曜日がハグの日へ変更したのではないかと、勝手に妄想しています。
あと、どうでもいい情報ですが、我が家も毎週火曜日にハグの日を導入しました。夫婦円満の効果は、かなりありそうな感じです。
(2)登場人物の年齢が違う
登場人物の年齢設定も、漫画とドラマでは違います。
漫画とドラマの第1話時点の各キャラクターの年齢は、以下の通りです。
・みくり: 漫画25歳、ドラマ25歳
・平匡: 漫画36歳、ドラマ35歳
・土屋百合: 漫画52歳、ドラマ49歳
・風見: 漫画28歳、ドラマ32歳
・沼田:漫画年齢不詳、ドラマ年齢不詳
みくりと平匡は、実際に演じる役者とほぼ同じ年齢なので、大きくは変っていないですが、百合の年齢だけ、大きく異なります。これはおそらく百合を演じる石田ゆり子が、当時47歳であり、52歳の設定にするには若すぎると判断したからだと推測します。(勝手な推測です)。
そもそも47歳よりもずっと若く見える石田ゆり子に対し、52歳というのは無理がある。脚本家もそう判断したのではないでしょうか。ちなみに百合は、会社の役職も違います。ドラマでは部長代理(後に部長へ昇格)ですが、漫画では室長です。
逆に風見の年齢は、漫画よりもドラマの年齢を上げています。これは風見演じる大谷亮平さんの年齢が、当時36歳でしたので、漫画の25歳との穴を埋めるために、ドラマでは35歳としたのでしょう。これも私の勝手な推測ですが…。
(3)平匡の父親は、厳格ではなく、むしろ温厚
こちらも地味にストーリーに影響を与えるのが、平匡の父親です。ドラマでは、寡黙な父親として、言葉は少ないながらも、平匡の人格へ影響を与えている重要な人物です。
今日は火曜日!
ハグの日!新春スペシャルまでは
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実は漫画では、かなり朗らかな性格で描かれています。寡黙と真逆とも言えるいつもニコニコした温厚な性格でした。(ドラマの後に描かれた漫画10巻では、ドラマの影響を受けてか、若干寡黙な父親になっていたりします)
(4)ラブシーンが濃厚
ドラマでは、新垣結衣と星野源の甘酸っぱいラブシーンで構成されていますが、原作漫画はかなり濃厚です。ドラマを見ていた人からすると、ちょっと引くくらい濃密です。
みくりと平匡のラブシーンはもちろん、百合と風見のラブシーンも、かなり衝撃的です。さらには、沼田さんのラブシーンも。(詳しい内容は、漫画第9巻で)
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(5)パロディシーンがちょくちょく違う
「逃げ恥」と言えば、コメディタッチのパロディシーンです。
原作漫画でパロディのコマがあるのですが、特にドラマのパロディシーンが思わず吹き出してしまうほど秀逸です。「情熱大陸」ならぬ「大陸情熱」なんかは、ナレーションが本物の声優さんですしね。
さて、原作漫画とドラマとで、実はパロディシーンがちょっと違うことがあります。例えば、第1話の冒頭シーン。原作漫画は、「徹子の部屋」のパロディで物語は始まります。
しかし、ドラマは「情熱大陸」のパロディで始まります。なぜドラマは原作の「徹子の部屋」ではなく、「情熱大陸」へ変えたのか?
その答えは、ドラマの脚本家、野木亜紀子さんがこのように語っています。
パロディシーンも総力戦です。原作にも『徹子の部屋』『レ・ミゼラブル』といったパロディが出てくるのですが、「徹子さんご本人でなければ寒い」「ミュージカルの再現は困難」などハードルが高いものが多く、ドラマでは映像で成立する範囲のパロディに変えています。
(出典:逃げるは恥だが役に立つ ドラマシナリオ集、野木亜紀子)
個人的にお気に入りのパロディシーンは、エヴァンゲリオンのシーンです。
ドラマでは、第4話に出てくるのですが、実はこのエヴァのシーンは、原作漫画にありません。ドラマのクオリティが高すぎて、思わずにやけてしまうこと受け合いなので、是非見てみて下さい。
エヴァのパロディを使うのに合わせて、わざわざ みくり の彼氏の名前を「シンジくん」に変更してしまっています。ドラマ班、やり過ぎです。
実は、このエヴァのパロディシーンには、裏話があります。ドラマの土井監督は、当時、エヴァンゲリオンを観たことがなかったそうです。雑に作るわけにはいかない!と奮起し、エヴァ好きのスタッフたちの意見を聞いたりなどして、猛勉強したそうです。
エヴァと言えば、画面に勢いよく出てくる活字です。
「初期はこっちだが最近の映画版はこっちのフォントだ」「庵野さんならテロップはこう出すのでは」と喧々諤々、幾度ものやり直しを経て完成させました。
(引用先:「逃げるは恥だが役に立つ ドラマシナリオ集」野木亜紀子)
初期のエヴァと、最新映画のエヴァとの違いまで勉強しているとは、さすがプロフェッショナルです。尊敬します。
(6)百合の部下の梅原ナツキと堀内柚は出てこない
ドラマでは、重要な脇役として登場する、百合の会社の部下、梅原ナツキ(成田凌)と堀内柚(山賀琴子)は、原作漫画には出てきません。
特にドラマでは、梅原ナツキは沼田さん(古田新太)と恋の関係になる重要な立ち位置ですが、漫画では梅原ナツキではない、別のイケメンと沼田さんが恋に落ちます。
詳しい内容は、漫画で楽しんで下さい!(詳しい内容は、漫画第9巻で)
(7)漫画では平匡へ片思いする女性キャラ雨山さんが出てくる
ドラマでは出てこない登場人物として、平匡の同僚、雨山さんがいます。漫画では、この雨山さんと平匡との恋の関係が描かれています。
これが面白い。
ドラマでは、2021年新春スペシャルの話で入るはずだった雨山さんと平匡とのストーリーは、残念ながらカットされています。おそらく雨山さんを登場させると、2時間では収まりきらないボリュームになってしまうためなのでしょう。
それくらい雨山さんのストーリーは濃厚です。平匡が初めて みくり 以外の女子に好意を持たれるという設定も、2時間ドラマの中へ詰め込んでしまうと、非常にややこしい。
収集が付かなくなるので、面白いけど、あえてカットしたのでしょう。個人的にはこの雨山さんのストーリーは好きなので、いつか「逃げ恥」の特別スペシャル版として、ドラマ化されることを期待しています。
新春スペシャルに込められた20のメッセージとは!?
「逃げ恥」原作漫画について
先ほどは、原作漫画とドラマの違いについて紹介しましたが、ここでは原作漫画について紹介したいと思います。
(1)絵が下手くそ疑惑
素人がプロの漫画家さんを批評するのもどうかと思いますが、「逃げ恥」は絵が下手な漫画の部類かもしれません。私自身、確かに初めて原作漫画を見た時、この漫画読みたい! とはなりませんでした。
しかし、漫画の面白さは、絵の上手下手では決まらないと思っています。漫画の面白さは、そのストーリーにあると思っています。最近では、大ブームを巻き起こした「鬼滅の刃」も同じような批判がありましたね。
アニメ「鬼滅の刃」の圧倒的な画力を初めに体験した人は、原作漫画を見てみると、「あれ?なんかアニメと違う」と思ってしまう人が続出しました。しかし、実際に原作漫画を読み進めていくと、原作漫画ならではの「味」と言いますか、個性がにじみ出ていて、原作漫画の凄さを後々体感することになります。
しかしながら、初見は確かに、「あれ?なんか違う」と思ってしまうのも納得です。(私もそうでした)
「逃げ恥」の原作漫画も同じで、初めは正直イマイチかも…、と思ってしまうかも知れませんが、2巻、3巻と読み進めていく内に、気が付くはずです。原作漫画には、ドラマと違った味があることに。
基本的な世界観は、当然同じなのですが、細かなキャラクター設定やストーリー展開がちょくちょく違っています。
これが面白い。
ドラマを何度も見ている人ほど、原作漫画の面白さに引き込まれるはずです。テレビドラマのストーリーは、脚本家の野木亜紀子さんが組み立てています。
この脚本を元に、監督や演出家があれこれ考え、映像として具現化していく訳です。つまり、ドラマを映像化している人達は、原作漫画を元に映像化している訳では無く、「脚本を元に映像化」している訳です。
脚本家の野木亜紀子さんは、当然、原作漫画を元に脚本を書いていますが、1話45分の枠の都合上、重要なシーンやコミカルなシーンを織り交ぜつつ構成しなければなりません。つまり、原作漫画のテンポとテレビドラマのテンポは、異なるのです。
これを逆手にとって、ドラマと原作漫画の違いを見付けるのも、とても楽しいです。ドラマで楽しみ、原作漫画でも「逃げ恥」を楽しむ。二度も「逃げ恥」を楽しめる訳です。
原作漫画を読んだことが無い方は、是非、1巻から11巻まで、全巻を通して読んでみて下さい。ドラマと原作漫画の違いに気付くだけで、とても楽しい時間を過ごせます!
(2)少女漫画を読んだことが無い男子でも、十分楽しめる!
「逃げ恥」の漫画は、漫画のジャンルでいうと「少女漫画」です。「逃げ恥」は、講談社の月刊少女漫画誌「Kiss」に連載されていました。
ひと昔前は、男子が少女漫画を読んでいるのを見られると、かなり恥ずかしい感じでしたが、今は少女漫画好きの男子も多いですよね。逆に少年漫画好きの女子もかなり多い。
私もこれまでいろんな漫画を読んできましたが、少女漫画は一度も最後まで読み終えたことがありませんでした。しかし、「逃げ恥」は一気に読めました。1巻から11巻まで、大人買いして、3日間で一気に読みました。
今の時代、電子書籍で買えるので、スマホひとつあれば真夜中でも買えてしまうのが嬉しいですね。真夜中に、一人、部屋で少女漫画を読みふける。できれば翌日が休日の金曜日なんかに夜更かしして読みたいですね。
「逃げ恥」の漫画は、ドラマと同じく、泣けるシーンも多く散りばめられています。一人、本を読む時は、ぶ厚めのハンカチをご用意ください。
(3)絵もだんだん上手くなっていく
これまた素人がプロの漫画家に向かって大変失礼な話ですが、すみません。はじめに謝っておきます。
原作漫画「逃げ恥」は、ドラマ「逃げ恥」の最終回と同じく、狙ってかどうかは分かりませんが、漫画もその翌週に最終回を迎えています。2017年のことです。
しかし、ドラマ「逃げ恥」の社会現象とも呼べる大ブームの中、連載再開をのぞむ読者に応えるかたちで、原作漫画が再開されます。2019年のことです。
それから約1年、2020年4月まで連載は続きました。
この2017年で一度終了した原作漫画の絵と、2019年から再開した原作漫画の絵を見比べてみると、明らかに2019年の再開後の絵が上手くなっています。
原作者の海野つなみさんの画力も上達しているのでしょうし、また、背景画も格段に良くなっているので、ひょっとするとアシスタントの方も上達、又は別のアシスタントさんへ変ったのかもしれません。とにかく10巻と11巻の画力が相当パワーアップしています。
お気に入りの漫画を、1巻から読み始めて、絵の変化を見ていくのも楽しいですね。
(4)原作者の海野つなみ先生は、顔だしNG
NHKの朝の番組「あさイチ」に生出演した海野つなみ先生は、顔だしNGだそうで、すりガラス越しに生出演しました。
その理由は、ご近所に自身が漫画家であることを内緒にしているからなのだそうです。これだけの大ヒット作の漫画家でありながら、秘密にしているなんて、相当シャイな性格!?
まとめ|「逃げ恥」の漫画とドラマはこんなにも違う!
「逃げ恥」の漫画とドラマはこんなに違うよ!ということを紹介しました。いかがでしたでしょうか。
・ハグの日が毎週火曜日では無い!
・登場人物の年齢が違う!
・平匡の父親が厳格ではない!
・ラブシーンが濃厚!
・パロディシーンがちょくちょく違う!
これ以外にもまだまだありますが、皆さんの目で是非見つけてみて下さい。
また、「逃げ恥」の原作漫画の絵がイマイチと思ってしまう人も多いようですが、実際に漫画を読み進めていくと、原作者の海野つなみ先生の色、味が出て来て、いつの間にか心が現実から引き離され、漫画の世界に引き込まれてしまいます。
少女漫画を読んだことが無い男性にも読んで欲しい本です。バトル、友情、アクションの少年漫画も面白いですが、男女の微妙な心の揺れを表現する少女漫画も、面白いです。
知らなかった世界をまた一つ覗いてしまった感じ。ドラマの脚本家、野木亜紀子さんも自身の著書「逃げるは恥だが役に立つ、ドラマシナリオ集」で、このように語っています。
最後になりますが、未見の方は是非、海野つなみ先生の原作漫画も読んでほしく思います。エモーションを重視したドラマに比べ思考実験的要素が強い理知的な漫画でありながら、笑えて、ぐっときます。ドラマでは描かれていない物語もあります。すべてはここから始まったのです。
そう、全てはここから始まったのです。
ドラマを見られ、心を動かされた方は、是非、原作漫画も読んでみて下さい。新たな「逃げ恥」を発見できるはずです。
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最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。