今回は、スマホやノートPCのバッテリー寿命を長持ちさせる機能「いたわり充電」についての記事です。
最近、スマホを買い替え、初めてソニーのXperia(エクスペリア)を使い始めました。
そこで、充電時に「いたわり充電」なる表示がされていたので、
あー、いたわりながら充電してくれてるんだ。助かるー。
と、とても分かりやすいネーミングに感謝しながらも、どうやっていたわっているのだろう?と疑問に思ったので調べてみました。
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いたわり充電とは?
ソニーの公式ホームページには、このような説明があります。
いたわり充電は、電池の寿命を延ばすための機能です。
充電の習慣(充電器に長く接続している時間帯)を学習して充電速度を調節し、バッテリーの性能をよりよい状態に保つことで、バッテリーの寿命を延ばします。
なるほど。充電の習慣を学習するってとこがポイントみたいですね。
「学習」とは、AI(人工知能)による情報処理のことですね。
AI(人工知能)による学習技術は、数年前から一般的にも知られるようになった技術で、近年では家電でも取り入れられるようになった汎用性の高い技術です。
今回の「いたわり充電」では、どのようにAIが利用されているのか、見ていきましょう。
いたわり充電の学習機能で、バッテリー劣化を予防する効果がある
充電する時間帯って、大体決まっていませんか?
多くの人が基本、夜寝る時間にスマホを充電すると思います。
これを利用したのが「いたわり充電」の学習機能です。
夜11時から朝7時まで寝る人は、その間、充電もしています。
毎日の充電時間帯をスマホが記憶することで、ユーザがどの時間帯に充電するかを学習することができます。
充電する時間帯と、充電時間を学習したスマホは、その人に合った充電スピードで充電します。
一般的にバッテリーの充電というものは、充電スピードを速めると、バッテリーが発熱し、その熱によってバッテリーの劣化が促進されます。
なので、バッテリーを長持ちさせたい場合は、高熱にならないようゆっくり充電するのがポイントですが、ゆっくり充電すると、当然充電時間が長くなるので不便です。
そこで、就寝時間を有効に使って、バッテリーへの負荷を抑えつつ、ユーザの起床時間には充電が完了している状態にもっていく、ということをAIの人工知能を使った学習で実現したのです。
これが「いたわり充電」。
ちなみにAI学習には、少なくとも1週間程度のデータ取りが必要なようです。
学習するデータが少ないと、当然、学習の精度が落ちてしまうので、最低1週間は「いたわり充電」モードにはならないようです。
いたわり充電の開発者は、
2年使っても劣化しにくいバッテリー
を目指して開発したそうです。
普通に使っていたら、1年で目に見えて劣化しますもんね。
こういう地道な開発が、私たちの生活を便利にしてくれているんですね。感謝しないとなぁ。
いたわり充電は、2年使っても劣化しにくいバッテリーという凄い効果を目標とした技術だった。
じゃあ充電時間が不規則な人は、いたわり充電は使えない機能?
その通り。
充電時間が不規則な人は、そもそも「いたわり充電」モードになりません。
AIの学習により、長時間、充電する時間帯を見つけられないので、いたわり充電モードに移行しません。
残念!
毎日、規則正しく充電する人でないと、いたわり充電モードにならない。
いつもより早起きする時は、いたわり充電をオフにする
私の場合、いつもは5時起きですが、今日みたいに休日の場合は、いつもより早起きする場合が多いです。
大体、目覚まし時計を使わなくても2時に起きます。
こういう時、「いたわり充電」ではフル充電にはなりません。
私の生活パターンは、こんな感じ。
<平日>夜9時:就寝~朝5時:起床
<休日>夜9時:就寝~朝2時:起床
このように休日は平日より3時間早く起きるので、いたわり充電モードだと充電が完了しません。
今日も2時起きなので、まだ充電が完了していませんでした。
しかし、実際、充電が完了していなくても、2時から出掛ける訳では無いので、私の場合は全く問題ありません。
充電をいつまでに完了させたいかで、「いたわり充電」のON/OFFを切り替えれば良いです。
いつもより早起きする時はOFFにすればOK
いたわり充電をソニー以外のメーカが使っていないということは、ソニーの登録商標か特許?
とても便利な機能であることは分かりましたが、これまで使っていたソニーのXperia以外の機種だと「いたわり充電」機能を見たことがありません。
これは、ソニーが保有している商標か特許なのかな?
気になったので調べてみました。
「いたわり充電」の商標
商標登録は、されていないみたいですね。(2019年8月10日現在)
とても分かりやすいネーミングなので、他社に真似されそうなんですけどねぇ。
調べてみると、例えば、東芝のノートPC、ダイナブックでは、「eco充電モード」というものがありました。
各社、昔から似たようなことはやっていたんですねー。
「いたわり充電」の特許
特許もそのものズバリというのは見つかりませんでした。
そもそもこの手のAI学習によるバッテリー充電技術というものは、従来からある技術のようです。
下の特許がソニーの特許(特許4010288)ですが、従来技術として人工知能の学習によるバッテリーの長寿命化に関する充電方法がサラッと書かれています。
【0010】
しかしながら、測定誤差や長期保存状態における自己放電、セルの劣化などの影響により、製造されて長い年月が経過したり、数百回の充放電が繰り返されたりするにつれて、積算電気量の誤差をキャンセルさせる、いわゆる学習が必要になる。このとき、学習させる場合の正しい基準データとして、端子電圧を測定するが、リチウムイオン二次電池の場合は放電電圧変化の大きい放電末期で学習するのが一般的である。
最後の方に、「一般的である」とサラッと言っちゃってます。
なんだ、一般的なことなんだ。
と思ってしまいますが、この「一般的」とは、専門知識を有する者にとって一般的である、ということですので、専門家では無い私にとっては一般的では無いです。
スマホだけでなく、実はノートPCのバッテリーでもいたわり充電が使われている
いたわり充電は、バッテリーの長寿命化に関する技術なので、ノートPCでも勿論つかわれています。
ソニーのVAIOなんかにも付いています。
VAIOの場合は、画面に「いたわり充電モード」と出てこないので、気付きにくいですが、使われているようですね。
2006年12月以降のモデルには付いているようです。
いたわり充電のアプリってあるの?
いたわり充電のアプリは、残念ながらありません。
アプリがあるなら、是非使いたいですよね。
しかし、ソニー製のスマホ(Xperia)や、ノートパソコンなどに、初期から搭載されている機能しか今のところ無いようです。
バッテリーの残量を検出しなければならないので、デバイスの重要な機能であることが理由なのかもしれませんね。
スマホやノートパソコンの製造メーカー以外のサードパーティーが自由にアクセスできる領域では無さそうです。
以上、いたわり充電のアプリが無い理由の推測でした。
まとめ|いたわり充電は、とても効果のある機能だった
「いたわり充電」は、バッテリーの寿命を延ばす、とても効果のある機能でした。
いたわり充電の開発者は、「2年使っても劣化しにくいバッテリー」を目指して開発されたようでした。
1年で目に見えて劣化するバッテリーが普通ですから、
毎日同じ時間帯に充電する人は、絶対に使うべきですね。
皆さん、基本的には充電するのは夜寝る時だと思いますので、規則正しい生活を送っている人は、大きな恩恵を受けられそうです。
では、また次回お会いしましょう!
パソコンのスリープ機能の多用は、しない方が良いことの記事は、こちら↓
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。