オリーブオイルは、他の油と違って、健康に良いと言われているけど、具体的にどんな効果があるのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「オリーブオイルの効果」について、紹介したいと思います。
オリーブオイルの効果を語る上で外せないのが、
オリーブ・ポリフェノール
です。
今回は、オリーブオイルの効果でも、特にポリフェノールの効果について、紹介したいと思います。
(本記事内では、エキストラバージンオリーブオイルのことを、EXVオリーブオイルと表記します)
Contents
オリーブオイルの効果
オリーブオイルの効果を語る上で外せないのが、ポリフェノールです。
ポリフェノールは、植物に含まれる成分で、その数は5000以上とも言われています。植物が光合成する時にできる成分で、様々な色の色素や苦味成分の元となっています。
オリーブオイルに含まれているポリフェノールには、オリーブオイル特有のポリフェノール、すなわち
オリーブ・ポリフェノール
と呼ばれたりもします。
このオリーブ・ポリフェノールは、様々な健康効果があると近年世界中で注目されています。
では早速、オリーブ・ポリフェノールには、どんな健康効果があるのかを見ていきましょう。
(1)動脈硬化の予防
EFSA(ヨーロッパ食品安全局)によると、オリーブ・ポリフェノールに含まれる「オレウロペイン」と「ヒドロキシチロソール」が、VLDL(低密度リポタンパク)粒子の酸化損傷を防ぐ効果があると発表しています。
全く頭に入ってこないな…。
どういうこと?
要は、オリーブ・ポリフェノールを摂ると、
動脈硬化になりにくいですよ
とEFSA(ヨーロッパ食品安全局)が言っているのです。
オリーブオイルには、ポリフェノールの他にも、ビタミンE、ビタミンC、カロテノイドといった強い抗酸化物質がたくさん含まれているので、動脈硬化の予防には最適な健康食品です。
ヨーロッパとオリーブオイルと言えば、健康ブームの火付け役となった「地中海食」で有名です。「地中海式ダイエット」と表現することも多いですね。
「地中海食」とは、地中海沿岸地方(特に南イタリア)の伝統食のことです。
地中海沿岸の家庭料理では、毎日の食卓で、オリーブオイル料理がならびます。
オリーブオイルの使い方としては、サラダやピザ、パンにつけるのは勿論のこと、日本では珍しいトマトのオリーブオイル焼き(トマトを二等分にカットして、EXVオリーブオイルでニンニクのみじん切りと一緒にフライパンでステーキのように焼く料理)なんかもあります。
何とも新しい発想だが、意外とうまそうだな。
実は、EXVオリーブオイルは、炒め物の料理でも使うことができるのです。
日本では、まだまだEXVオリーブオイルは高級調味料なので、なかなか揚げ物に使うのは勇気がいりますが、イタリアでは当たり前に使われているようです。
高価なEXVオリーブオイルは、我が家でも贅沢すぎて揚げ物には使えないので、揚げ物の時は安めのEXVオリーブオイルを使うようにして、料理によって使うEXVオリーブオイルを変えています。(いつか美味しいEXVオリーブオイルで揚げた揚げ物を食べてみたい!)
オリーブ・ポリフェノールには、動脈硬化を防ぐ効果があるので、心臓病の予防にも効果があるようです。
オリーブ・ポリフェノールの「オレウロペイン」と「ヒドロキシチロソール」は、動脈硬化の予防に効果あり。
(2)認知症やアルツハイマー病の予防
オリーブ・ポリフェノールの「オレオカンタール」は、認知症やアルツハイマー病の抑制に効果があるようです。
認知症やアルツハイマー病の人は、脳神経の変性の引き金となる活性酸素の働きを抑えること、つまり抗酸化作用のある食べ物を食べることによって抑制効果が期待できるようです。
オリーブ・ポリフェノールのオレオカンタールは、この活性酸素の働きを抑えることが期待できるということです。
オリーブ・ポリフェノールの「オレオカンタール」は、認知症やアルツハイマー病の抑制に効果あり。
(3)がん予防
オリーブ・ポリフェノールの「オレウロペイン」と「ヒドロキシチロソール」は、大腸がんを抑制すると言われています。
大腸がんを抑制するのに効果があるのは、ポリフェノールの他に、
- 食物繊維を多く持つ食べ物
- にんにく
- カルシウムの多い食事
- 牛乳
などがあるようです。
その他には、特に運動することが大腸がんの予防になるようです。
運動は、健全なメンタルにも欠かせないので、運動とEXVオリーブオイルをセットで毎日取り入れたいものです。
オリーブ・ポリフェノールの「オレウロペイン」と「ヒドロキシチロソール」は、大腸がんを抑制する効果あり。運動と組み合わせるとさらに効果あり。
(4)美容効果・アンチエイジング効果
ポリフェノール全般で言われているのが、
活性酸素の発生を抑える効果
です。
活性酸素とは、簡単に言ってしまうと、
毒性の強い酸素
です。
この活性酸素は、紫外線を浴びたり、身体に悪い食品添加物を摂ったり、またはタバコを吸ったりすることで、身体の中に大量に発生してしまうと言われています。
この活性酸素の発生を抑えてくれるのが、ポリフェノールという訳です。
ポリフェノールは、強い抗酸化作用を持つので、身体の中の細胞から若さを保つことができます。心臓や血管が若々しく保たれることで、皮膚の表面も若々しく綺麗に保てます。これが美肌効果の所以という訳です。
ただし、残念ながらポリフェノールは、体内で作り出すことができない物質なので、
毎日の食卓で少しずつ取り入れることが大切
です。
毎日の食卓で、EXVオリーブオイルを取り入れるようにしましょう。
ポリフェノールは、美容効果・アンチエイジング効果あり。
オリーブ・ポリフェノールの種類
オリーブオイルに含まれるポリフェノールの種類は、
主要なものだけで35種類ものポリフェノール
が含まれています。
中でも健康効果の高いポリフェノールは、先ほどもご紹介した
オレウロペインとヒドロキシチロソール、オレオカンタール
です。
ポリフェノールの味は、甘いor苦い?
オリーブオイルに含まれるポリフェノールの味は、
苦味や辛味
であると言われています。
オリーブオイルのポリフェノール含有量と苦味強度との関連性を調べてみると、ポリフェノール含有量が多いほど、苦味や辛味を強く感じる、という結果が出ています。
オリーブオイルを口に含んだ時、苦味や辛味がある場合は、このポリフェノールの味であることが多いので、決して悪いことでは無いようです。
何も知らずに、本当のEXVオリーブオイルを食べて、
「なんだこの苦くて辛いオリーブオイルは!」
と言って拒否してしまうのはとても勿体ないことなのです。
オリーブオイルの苦味や辛味は、ポリフェノールがたくさん含まれている証拠。
ポリフェノールが多いのは、早摘みor完熟?
オリーブオイルに含まれるポリフェノールの量は、オリーブの採取時期によっても大きく影響されることが分かっています。
結論から言うと、
早摘みの方がポリフェノールの含有量が多い
です。
早摘みと言うのは、オリーブの実がまだ完熟していない状態で、完熟する月よりも1~2か月早く、未完熟の状態で摘み取ってしまうことです。
オリーブの実は、熟度で表面の色が変わってきます。
実が成ったばかりの頃は、黄緑色。
そこから徐々に熟していき、黄色から紫色、黒色系の濃い色へと染まっていきます。
早摘みの場合は、初期の黄緑色の頃に摘み取ってしまいます。
熟してから摘み取った方が美味しそうな気もするんだが…。
確かに完熟して黒くなってから摘み取ったオリーブオイルの方がマイルドで、口当たりが良い傾向にあるようです。
しかし、黒く完熟してしまうと、ある栄養素が失われてしまうようです。
それが、
ポリフェノール
です。
オリーブの実は、若いうちは、太陽の光から身を守るため、防衛反応としてポリフェノールを大量に作り出すようです。
この若いうちに作られたポリフェノールは、実が熟すと同時に失われていくようです。
オリーブの実は、早摘みの方がたくさんポリフェノールが含まれる。
オリーブ・ポリフェノールが多いオリーブの実の種類
オリーブ・ポリフェノールの含有率に大きく影響する要因のひとつが、
オリーブの種類
です。
代表的なオリーブの種類は、以下の6種類です。
- ピクアル
- マンザニラ
- コロネイキ
- レッチーノ
- オヒブランカ
- アルベキーナ
この中で、最もポリフェノールを多く含むのが、
ピクアル種
です。
ポリフェノールの量は、品種の他に栽培地やその年の気候によっても大きく影響されるので、必ずしも「ピクアル種が一番!」という訳では無いですが、どの品種が良いか迷った時は、オリーブの品種で選んでみても良いかもしれません。
ちなみに、上で紹介したように、ポリフェノールの多さとオリーブオイルの苦味は比例する関係です。ピクアル種のオリーブオイルだけでは、確かにポリフェノールが豊富で健康効果は高いですが、苦味が強いため、よく他の品種、例えばアルベキーナ種とブレンドしたりして、味をマイルドに整えたりすることも多いようです。
健康効果も大事ですが、まずは美味しく食べたいですもんね。
それにしても、「良薬は口に苦し」とはよく言ったものです。
ポリフェノールが多い傾向にあるのは、ピクアル種。
ポリフェノールを摂りたいならEXVオリーブオイル
ポリフェノールは、どんなオリーブオイルにも含まれている訳ではありません。
結論から言うと、ポリフェノールを摂るなら
エキストラバージンオリーブオイル
これに限ります。
なぜなら、精製オリーブオイルの場合は、製造過程の化学処理によって、ほとんどのポリフェノールを失ってしまうためです。
だから、ポリフェノールを摂るなら、オリーブの実は勿論のこと、皮や種まで丸ごとそのまま搾っただけの100%オリーブジュースであるEXVオリーブオイルが一番なのです。
ポリフェノールは、オリーブオイルの成分割合でみると、たった1%ほどしか含まれませんが、その健康効果は近年世界中で話題になっている通り折り紙付きです。
オリーブ・ポリフェノールを摂るなら、EXVオリーブオイルを選ぶ。
おすすめのEXVオリーブオイル
ここでは、EXVオリーブオイルの中でも特にポリフェノールが多く含まれている、おすすめのEXVオリーブオイルを紹介します。
(1)カスティージョ・デ・カネナ ファミリーレゼルブ ピクアル
オリーブオイル生産量世界一のスペインで、創業1780年、4世代に渡りオリーブの栽培から収穫、搾油、瓶詰までを一貫して手がけるカスティージョ・デ・カネナ社のEXVオリーブオイルです。早摘みのピリッとした辛み成分であるポリフェノールの味を十分に楽しめます。また、早摘みならではのサラサラとした味わいと香りも楽しめます。このオリーブオイルは、オリーブジャパン2019の生産国別優秀賞を受賞しています。つまり、オリーブオイル世界一を誇るスペインで、2019年の最も優秀なオリーブオイルと認められた逸品です。
(2)オロ・デル・デシエルト
高級感のある銀の四角いラベルが特徴的な瓶のオロ・デル・デシエルトは、3つのラインナップがあります。
「アルベキーナ」「ピクアル」「クパージュ」の3種類で、それぞれ風味と成分が少し異なります。ポリフェノールを最も多く含むのが「ピクアル」です。ピクアルは、オリーブジャパン2015最優秀賞受賞を受賞しています。「アルベキーナ」はマイルドな口当たり、「クパージュ」は、ピクアル、オヒブランカ、アルベキーナをブレンドした絶妙なバランスのオリーブオイルで、オリーブジャパン2019のミディアムテイスト部門で、最優秀賞を受賞しています。
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(3)メルガレホ ピクアル
漆黒の柔らかなフォルムが特徴的な瓶のメルガレホは、5つのラインナップから選べます。そのうちの1つが「ピクアル」です。ポリフェノールの多いピクアル種から抽出されたオリーブオイルですが、メルガレホのピクアルは、他社には無いフルーティな甘みがあります。オリーブジャパン2019のマイルドテイスト部門で最優秀賞を受賞しているオススメの一品です。
メルガレホは、我が家でもお気に入りのEXVオリーブオイルの1つです。こちらの記事も参考になると思います↓
(4)コブラムエステート ピクアル
オーガニックの国、オーストラリアのブランドです。コブラムエステートの最高品質を誇るウルトラプレミアムは、2つの種類があります。1つ目は「オヒブランカ」、2つ目が「ピクアル」です。オヒブランカは、苦味を抑えた甘くてクリーミーな味。そしてピクアルは、ポリフェノールがたっぷり入った苦味と辛味があり、スパイシーな料理によく合います。このオリーブオイルは、オリーブジャパン2019で金賞を受賞しています。
コブラム・エステートの詳しい記事は、こちら↓
(5)エグレヒオ オーガニック オレオエステパ
オリーブオイルには珍しい純白の瓶が特徴的なエグレヒオは、スペインの5000軒ものオリーブ農家の協同組合として設立されたオレオエステパ社のブランドです。早摘みしたオヒブランカ種とピクアル種をブレンドしたのがエグレヒオで、オヒブランカの甘みとピクアルの辛味をうまく調和した、魚や肉料理によく合う一品です。オリーブジャパン2019で銀賞を受賞しています。
ポリフェノールたっぷりレシピ
ここでは、ポリフェノールをたっぷり摂れる、簡単レシピを紹介します。
(1)オリーブオイル玄米ご飯
ポリフェノールを豊富に含む玄米とオリーブオイルのコラボご飯です。
<材料(2人前)>
・玄米:2カップ
・水:3カップ
・天然塩:小さじ1
・醤油:大さじ1
・炒りごま:お好みで
・EXVオリーブオイル:大さじ1
<作り方>
全ての食材を炊飯器に入れ、1~2時間置いてから炊く。
<ポイント>
玄米は水で強く研ぐと栄養素が流れてしまうので、軽く水で流すだけにする。
(2)オリーブオイルの卵かけご飯
オリーブオイルは、卵かけご飯にかけてもよく合います。
<材料(1人前)>
・ご飯:お茶碗1杯
・卵:1個
・醤油:小さじ1
・EXVオリーブオイル:大さじ1
・炒りごま:お好みで
<作り方>
ご飯の上に生卵をのせ、醤油を掛ける。その上からEXVオリーブオイルをかけ、お好みで炒りごまをかけて完成。
まとめ|オリーブオイルの効果
オリーブオイルの効果について、紹介しました。
特に、オリーブ・ポリフェノールの効能は、知っておいて損はありません。
大きな効能として、①動脈硬化の予防、②認知症の予防、③がん予防、④美容・アンチエイジング効果を紹介しました。
オリーブオイルのポリフェノールは、とても健康効果が高いのですが、ポリフェノールは人間の体の中では作ることができないので、毎日の食卓で少しづつ摂ることが大切です。
また、本物のEXVオリーブオイルを食べると、たまに苦味や辛味を感じることがありますが、これは悪いことではなくて、実はポリフェノールをたくさん含んでいる裏返しだったのです。なので、苦味や辛味があったら、これは本物のEXVオリーブオイルだ!と思っても良いと思います。
さらに、ポリフェノールは、完熟したオリーブよりも、早摘みのオリーブの方が豊富に含まれること。そして、オリーブ・ポリフェノールは、精製オリーブオイルにはほとんど入っておらず、本物のEXVオリーブオイルにしか入っていないことも紹介しました。
これからも、皆さんの健康的な生活にひと役立てる情報をお届けできたら嬉しいです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
<本記事を書くにあたっての参考にした文献>
「オリーブのすべて」横山淳一、松生恒夫、鈴木俊久著、幸書房