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【意志力を操る】ウィルパワーの効果的な使い方を解説

【意志力を操る】ウィルパワーの効果的な使い方

今回は、意志力(ウィルパワー)についてのお話です。

意志力の本質を理解することで、自分ではコントロールできなかった喜怒哀楽の感情を、客観的に捉えることができるようになります
言い換えると、自分の感情が振れた時に、すぐにニュートラルの位置に軌道修正することができるようになります。

私の場合、意志力を理解することで、自分の中で分かっていても止められなかったいくつもの悪い習慣を止めることができました。私の事例は、最後の方で紹介します。特に、ゲーム依存症で悩んでいる人に読んで欲しいです。

なお、今回の記事は、以下の2冊の本を参考に、私が重要であると感じたポイントをまとめた物です。

「WILLPOWER 意志力の科学」ロイ・バウマイスター、ジョン・ティアニー著、渡会圭子・訳(インターシフト)
「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニガル著、神崎朗子・訳(大和書房)

1冊目の著者、ロイ・バウマイスター氏は、意志力の科学の第一人者。
2冊目の著者、ケリー・マクゴニガル氏は、近年における意志力の第一人者です。

では、意志力の科学を見ていきましょう。

Contents

意志力とは何者なのか

意志力とは、自分の意志をコントロールする力のことです。
自分の意志とは、大きく分けて、

  1. 「やる」
  2. 「やらない」
  3. 「望む」

の3つで構成されます。

この3つの意志をつかさどるのが、脳の前頭葉皮質です。
前頭葉皮質は、脳の前方、ちょうど”こめかみ”の部分に位置します。前頭葉皮質の3つの領域で、「やる力」「やらない力」「望む力」を発揮しているのです。

意志力は、鍛えれば強くなりますし、栄養を与えないと弱くなります。

  • 「やる」ことを起こさせるのが前頭全皮質の左側
  • 「やらない」ことを起こさせるのが前頭全皮質の右側
  • 「望む」ことを覚えているのが前頭葉皮質の前方下側

何かをやらなければならない時に力を発揮するのが「やる力」
何かを我慢しなければならない時に力を発揮するのが「やらない力」
何が自分にとって良いことなのかを覚えていて、正しい行動かどうかを判断するのが「望む力」です。

この3つの力が適切な時に、正しく力を発揮することで、あなたにとって良い生活が送れます。

意志力を消耗するメカニズム

(1)我慢すると意志力を消耗する

何かを我慢した後に、誘惑に負けてしまった経験、ありませんか?

ダイエットで我慢している時、衝動買いしてしまったり、
仕事で夜遅くまで頑張った帰りに、コンビニでお菓子やデザートを買ってしまったなど。

そう、我慢すると意志力を消耗してしまうのです。

(2)物事を決断すると意志力を消耗する

物事を決断するだけでも、意志力を消耗します。

例えば、朝起きて服を選ぶ。これだけでも意志力を消耗します。
皆さんもこんなこと、体験したことありませんか?

車を買うためにディーラーへ行った時のこと。
お店の営業マンは、巧みに多くの車種、グレード、色など、初めのうちに選択肢を多く出してきます。これは意志力を消耗させる、営業マンのテクニックです。

初めのうちに多くの選択肢から一つの車種、グレード、色を選ばなくてはいけないため、あなたは大きな決定をしなくてはなりません。車なので、普通の買い物ではありません。価格はもちろん高額です。

多くの選択肢から頑張ってひとつの車に絞り込んだあなたは、意志力を使い切ってしまいました。ここで営業マンの本領発揮です。

「このオプションなんですが…」

そう、オプションの選択です。意志力を使い果たしてしまったあなたは、もう決断する力が残っていません。こういう時、やってしまうのが、営業マンの意見をそのまま採用する、ということです。

結果的に、あなたは想定していた金額より大幅に高いお金を支払ってディーラーを後にすることになります。

もし、あなたが意志力の消耗するメカニズムを知っていたら、商談を中断する、という賢い選択をできたかもしれません。意志力の本質を知るということ、とても大事です。

(3)ストレスを受けると意志力を消耗する

ストレスも意志力を奪う原因です。
会社で高圧的な上司からパワハラを受けた、仲の良い友人とケンカした、など。ストレスは意志力にも大敵です。ストレスの無い生活を送りたいものです。

ちなみに、私自身、ストレスを受けやすい性格ですが、いつも心に留めているのが「アドラー心理学」の考えです。有名な本なのでご存知の方も多いと思いますが、この本を読むとストレスに強いマインドになることができます。おすすめです↓

「嫌われる勇気」岸見 一郎、古賀 史健(著)

(4)マルチタスクをすると意志力を消耗する

会社でよく言われるのが、「マルチタスク」です。
並行していくつもの仕事を進めろ、という意味です。

このマルチタスクが良くない。仕事で意志力を消耗する大きな原因です。もし、マルチタスクで仕事を進めろ、と命令されても無視するのが賢明です。

人間の脳ミソは、パソコンのCPUと同じです。
複数の処理を同時に行おうとすると、処理速度が当然低下します。複数のアプリを起動しながらパソコンを使うと、いつかはCPUが停止してしまいます。脳みそも同じです。

賢いやり方は、大前提として、マルチタスクをやめる。
今やっている仕事を終えるまで、他のことは一切しない。です。

とは言っても、複数の仕事を抱えるのが今のご時世なので、そういう場合は、やることリストを作ります。今はコレ、次はコレ。という具合に、やることをリスト化する。リスト化したら、今やること以外は忘れるこれが重要

これで複数の仕事をマルチタスクせずに進めることができます。是非試してみて下さい。

意志力を消耗するとどうなる?

(1)意志力を使い果たすと、感情が敏感になる

意志力が無くなると、感情が敏感になります。
例えば、イライラしやすくなったり、些細なことで怒りっぽくなります。

(2)意志力を使い果たすと、集中力が無くなる

また、集中力も無くなります。試験勉強に集中しなければいけない時、難易度の高い仕事に取り組まなければいけない時、意志力がゼロの状態では効率が大きく低下します。

いかにウィルパワーを節約して1日を乗り切るか。車のエコドライブをイメージすると分かりやすいですね。どのようにエコドライブするかは、のちほど紹介します。

意志力の回復方法

意志力は、回復することができます。ここでは、意志力の回復方法を紹介します。

(1)睡眠で意志力を回復

睡眠は、最強の意志力回復法です。
十分な睡眠を取って、意志力を回復しましょう。夜の睡眠が基本ですが、昼寝でも回復できます。良質な睡眠を取るように心がけましょう。

ちなみに良質な睡眠にするポイントは、寝る前にテレビやパソコン、スマホなどのブルーライトを見ないようにしましょう。就寝時間の2時間前にはブルーライトをシャットアウトが理想です。さらに、就寝前の運動もよくありません。仕事帰りにジム通いする社会人がいますが、これは睡眠の質を下げてしまうのでおすすめしません。

就寝前の習慣としては、読書が最もおすすめです
就寝前には、覚えたことを記憶に定着しやすいですし、なにより難しい本を読むと眠くなります。就寝前に、難しい本を是非。

(2)グリーン・エクササイズで意志力を回復

グリーン・エクササイズとは、近年注目されているエクササイズで、簡単に表現すると「緑の中をウォーキングしましょう」です。

草木がうっそうと生い茂る緑豊かな田舎が理想ですが、都会に住んでいるとそうはいかないので、公園の草木を見ながらウォーキングでも問題ありません。

確かにクルマで高速道路を走っている時に、地方の山道を走っているときは、妙に心が和みます。心が癒されているのでしょう。田舎に住んで生計を立てるのが私の夢です。

(3)甘い食べ物で意志力を回復

甘い食べ物でも意志力を回復できます。
正確には、「糖分を多く含む食材」であれば甘くなくても良いのですが、甘党としては甘い食べ物を食べられる格好の言い訳としてこれからも使っていきたい。

甘い食べ物で意志力を回復する話はこちらをどうぞ↓

甘党の皆さん、朗報です
【甘党の皆さん、朗報です】甘いものが自己コントロールを回復させるこんにちは、あんこ大好き甘党の、管理人です。 今回は、甘い食べ物の真面目なお話です。 甘いものは、ダイエットの敵だと...

意志力の鍛え方

意志力は、筋肉のように鍛えることができます。ここでは意志力の鍛え方を紹介します。

(1)習慣的な行動を変えると、意志力を鍛えられる

いつもと違うことをあえてすることで、意志力を鍛えることが分かっています。
例えば、いつもは右手で歯磨きをするところを、あえて左手で磨く、とかです。

(2)瞑想をすると、意志力を鍛えられる

瞑想も意志力を向上できます。瞑想をしたことが無い人がするには、初めは難易度が高いですが、習慣化の考えを取り入れて、徐々に瞑想の時間を増やすことをおすすめします。初めは5分から始めて、1か月単位で徐々に時間を増やす。または、5分間の瞑想を2回3回に分けても効果があります。

2年前まで、全く瞑想したことがなかった私ですが、朝の仕事前の瞑想を習慣化したことによって、20分の瞑想をできるまでになりました。瞑想もとってもおすすめです。

意志力を手っ取り早く発揮する方法

意志力を手っ取り早く発揮する方法も存在します。とっても簡単なので、是非使ってみて下さい。

心拍変動を抑えて意志力を向上させる(おすすめ!)

意志力と心拍変動は、密接な関係があります。
心拍変動とは、心拍数が時間あたりに変動した量のこと。つまり、通常の心拍数から何か刺激を受け、ドキドキしてしまった場合は、心拍変動が大きくなった状態を示します。

これはストレスにも通じるものですが、心理的に心が揺れ動いた時、人は意志力を発揮しにくい状態となります。

逆に、どんな状況でも動じない、強い精神を持つ人は、どんな場面でも意志力を発揮します。

簡単に意志力を発揮する方法、それは、

深呼吸をする

です。

特に、息を吐く時間を多めにすることがポイントです

人間の脈拍は、息を吸うと上昇し、息を吐くと下降します。

つまり、息を吐くと、心拍変動が下がり、意志力を発揮しやすいのです。

昔から習慣的に落ち着きたい時、集中したい時は、深呼吸する習慣があります。まさに科学的に理にかなった行動だったんですね。

私の事例 ~ゲーム依存症から抜け出す~

私の悪い習慣の中でも、TVゲーム、ネットゲームには、今考えたら恐ろしいくらいに侵されていました。夜中までゲームするのは当たり前。朝起きて、まず最初にスマホのゲーム。会社でもゲームのことが頭から離れられず、トイレで隠れてゲームしたこともあります。

完全にゲーム依存症でした。ここを脱出できたのが非常に大きいです。

私の場合、まずゲームから読書へすり替える習慣を身に付けようと努力しました。ゲームに充てていた時間を、そのまんま読書の時間としました。途中、ゲームしたい病がうずくことが多々ありましたが、意志力の本質を理解していたので、今は意志力が弱まっている時だ。睡眠を取って回復しよう。とか、甘いものを食べて意志力を回復しよう。とか対策できるようになりました。また、瞑想を習慣化することに成功し、単純に意志力が鍛えられたのも大きかったと思います。

現代社会には、ひと昔前よりも確実に多くの誘惑があふれています。

それらの誘惑に負けるたび、自分の意志の弱さに落ち込み、自尊心を低下させてしまうことにも繋がります。(私もしょっちゅう自尊心低下します)

こんな時代だからこそ、意志力(ウィルパワー)がとても重要です。

意志力は、日常生活のさまざまな場面で活用できるので、ぜひ意志力を操るコツを習得して、たった一度の人生、より良い人生にしていきましょう!

まとめ

意志力を操れるようになると、生活が楽になる。
仕事、子育て、勉強、さまざまな場面に活用できる最強のメソッドです。
人間は、こんな時に意志力を消耗する、イライラしやすい。それを知っておくだけでも、自己コントロールが格段に楽になります。

意志力を自在に操って、幸せな人生を送りましょう。

カエル
カエル
今回も真面目な話でドキドキだったぜ。
次回は、もうちょい砕けた話題でお願いします

意志力に関する本です↓

<WILLPOWER 意志力の科学>
読みやすさ:★★★☆☆
内容の充実度:★★★★★
意志力の科学の第一人者:ロイ・バウマイスターの著書。意志力を語る上でこの本を外せません。おすすめ!

<スタンフォードの自分を変える教室>
読みやすさ:★★★★★
内容の充実度:★★★★☆
近年、意志力の科学といえば、この人。スタンフォード大学のケリー・マクゴニガル。内容もとっつきやすい切り口で書かれています。翻訳家の腕が良いのか、非常に読みやすい文章になっています。値段も安いのでおすすめ!

ゆうきちが考える、もうひとつの最強メソッド「習慣化」の記事はこちら↓

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。