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吃音|英語の大学入試:スピーキング試験で健常者より不利?

吃音_2020年からセンター試験でスピーキング導入

9/1日付の新聞で、吃音と英語の民間検定試験についての記事がありました。

今回は、吃音者が英語の民間検定試験を受ける際にハンデと成り得る「スピーキング試験」についての話をしたいと思います。

 

Contents

背景|英語の民間検定試験の導入

文部科学省の発表によると、2020年から始まる大学入試で、英語の民間検定試験が導入されることになった。

現在の大学入試センター試験の「リーディング(読む)」「リスニング(聞く)」に加え、2020年からは、「ライティング(書く)」「スピーキング(話す)」の能力も試験の対象となる、というものです。

 

スピーキング試験|吃音者のハンデについて

問題は、「スピーキング」です。

吃音者にとって、スピーキングは恐怖です。

特に母音から始まる言葉を発音する時にどもることが多く、英語で多く使われる”I”や”It”などを発音するのに苦労することが予想されます。

 

NPO法人「全国言友会連絡協議会」が文部科学省へ待ったを掛ける

そこで待ったを掛けたのが「全国言友会連絡協議会」。

吃音の人達で構成されるNPO法人「全国言友会連絡協議会」が、

吃音の受験生への配慮が十分でない

として、不利な扱いを受けないよう文部科学省に要望した。

とのこと。

 

文部科学省は、吃音者が健常者に比べて不利な条件を見直すと発表

NPO法人の要望を受け、吃音の生徒に対し、次のことを認めることを公表した。

  • スピーキング試験の時間延長
  • 吃音の症状に応じてスピーキング試験を免除する

 

これは、吃音者にとっては、非常に大きな一歩だと思います。

この機会に、もっと吃音者の存在を世に理解してもらえたらと思います。

 

その他の英語試験の動向|健常者に対する吃音者へのハンデ見直し

センター試験の他では、有名どころとして「英検」がある。

英検では、吃音の受験生に対し、次のような配慮をする方針だ。

  • 健常者:機械に向かってスピーキングを実施する
  • 吃音者:面接官と向き合ってスピーキングを実施する

 

機械だと、吃音独特の「あ、あ、あ、あ、I am」などの連発と呼ばれる症状を、誤発音と判定してしまう。

これを解決するため、吃音の受験生は、面接官と向き合って、吃音の症状が出た時でも、これを救済する処置を取る、というものだ。

こちらも吃音のある生徒にとっては大きな救済処置だと思います。

健常者でも英語のスピーキングは緊張するものです。

吃音のある子供ならなおさらです。

 

その後、2020年の英語民間試験の導入は見送りへ

2019年11月1日に文部科学省は英語民間試験の2020年導入の見送りを発表。

今後は、2024年度への導入へ向け、再度検討をし直すとのことです。

吃音者と健常者の両方の立場に立って、しっかりと検討して欲しいと切に願います。

 

まとめ|吃音者は健常者より英語のスピーキング試験で不利にされない処置を期待

吃音者で成るNPO法人の呼びかけによって、文部科学省は丁寧に対応してくれたと思います。

小さな声でも、みんなが声を上げれば、声はきっと届くと思います。

吃音の子供達が、吃音によって未来を閉ざされることが無いよう、社会全体で支えていける国であって欲しいと切に願います。

 

吃音症の子供への接し方についての記事は、こちら↓

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。