思いをつなぐハイウェイ ~幸せジャンクション2~
香住 泰
小説「幸せジャンクション」シリーズの続編として、「思いをつなぐハイウェイ~幸せジャンクション2」を紹介します。
前作の「幸せジャンクション~キャンピングカーが運んだ小さな奇跡~」が本当に良い作品だったので、間髪入れずに「2」も読みました。
今回も登場人物と相関図を入れながら紹介します。
「幸せジャンクション2」のあらすじ
「幸せジャンクション2」は、前作「幸せジャンクション ~キャンピングカーが運んだ小さな奇跡~」の終わりのシーンから始まる、完全な続編である。
主人公の浜浦(はまうら)と行動を共にしていた多智花(たちばな)の携帯電話へ連絡が入る。
相手は青い背広を着こなす黒河内 卓也(くろこうち たくや)だ。どうやら黒河内が困っているらしく、黒河内の父親の依頼でアロワナを運んで欲しいと頼まれる。
60歳のおじさん、20代の女性、30代のヤンキー風の男、というデコボコトリオが、またしてもキャンピングカーへ集結する。
「幸せジャンクション2」の感想
前作で浜浦、多智花、黒河内の3人のキャラクターは確立していたので、冒頭から物語が怒涛のように進むのが面白い。
今作でも分かりやすい「悪者」が登場する訳だが、浜浦にかかると、あら不思議。徐々に「いい奴」に変化していく様を観察するのも面白い。
人間、誰しも根っからの悪者はいないことに気付かせてくれる。
人情味あふれるストーリーを今作でもご堪能あれ!
「幸せジャンクション2」の登場人物と相関図

・浜浦 遼二(はまうら りょうじ): 前作に引き続き、主人公。倒産した元・勤め先の運送会社 松河社長から退職金代わりにキャンピングカーを譲り受ける。今作もキャンピングカーを中心にストーリーが展開する。
・多智花 夕夏(たちばな ゆうか): 浜浦の相方(?)のような28歳。介護福祉士。前作で浜浦と出会い、キャンピングカーに同乗して共に旅をする。浜浦を尊敬している。
・黒河内 卓哉(くろこうち たくや): 青い背広を着こなす、黒河内建設の専務。父親は、黒河内建設の社長。浜浦の影響を受け始める。今作のキーマン。
・瀬田川 寿美子(せたがわ すみこ): 通称「瀬田川夫人」。優しいおばあちゃん。前作で介護を多智花へ依頼し、今作でもキャンピングカーでの移動を依頼する。
・永道 也之介(ながみち やのすけ): 通称「理事長」。性格のひねくれた老人医師。医療法人英和会(えいわかい)理事長。会長選挙の当日、現地へ送迎するために浜浦のキャンピングカーに乗車する。
・春菜ちゃん(はるなちゃん): ウマヅラハギのプリントTシャツを着た女の子。高速道路の渋滞の最中、困っていたところを浜浦らに助けられる。
・真紀 静留(まき しずる): ベレー帽をかぶった23歳の女性漫画家。コミック漫画でヒットするが、現在、スランプの真っ只中。
・その他にも個性的なキャラクターがたくさん登場するが、それは本編を読んでのお楽しみ。
まとめ|「幸せジャンクション2」を読んで

「幸せジャンクション2」を紹介しました。
「幸せジャンクション1」では、なぞの多かった多智花の過去が判明するという点では、実質、「幸せジャンクション1」が上巻、「幸せジャンクション2」が下巻で、2冊で完結するようなストーリーでした。
主人公の浜浦遼二は、出会う人々の人生を、ことごとく良い方向へ軌道修正してくれます。
特に、いわゆる「悪人」を淡々と良い道へ軌道修正するテクニックといったら、魔法のようであり、それでいて後味の良い感覚に浸れます。
是非とも、2冊をセットで読んで欲しい逸品です!
2冊とも「Audible」のサブスクで聴けます。(※2025年4月現在の情報です。現在の情報は、Audible公式サイトをご確認ください)
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

